2021年7月29日木曜日

速度制御装置

【与件と課題】


近年、大きな開口部を望む住み手の増加により、
扉や窓なども大型化・重量化の傾向にあります。
しかし、実はそのことが、生活をより快適にするためのサッシやドアを
危険なものにしてしまう恐れがあるのです。
なぜなら、スピードにのった重い建具は、
大きな運動エネルギーを蓄え、破壊力をもち、
高齢者や子どもたちが事故に巻き込まれてしまう場合があるからです。
そこで、SKBは考えました。
急加速への自動ブレーキ装置が開発できれば、
事故の危険度を飛躍的に低減できるのではないだろうか。


【コンセプトと機構設計】

SKBひらめき機構設計チームは、タイヤが回る遠心力をつかって
ブレーキをかけるという機構を開発し、この問題を解決しました。

要は、タイヤとギア、ケースにはいったブレーキ装置が内蔵された戸車です。
急な開閉でタイヤが急加速すると、遠心力でブレーキパッドが開きます。
開いたブレーキパッドは、内側からケースに押し付けられることで動きが抑制されます。
それがギアを介して戸車自体にブレーキがかかり、
建具が静止する、という仕組みです。
SKBひらめき機構設計チームは、このアイデアを形にし、
特許を取得しています。


ひらめき機構設計開発のご依頼はこちら
https://www.skb-net.co.jp/company/contact.html

2012年7月2日月曜日

カーテン内蔵複層ガラス(商品名:カーティンペア)


与件と課題

日差しを防いだり、プライバシーを守ってくれるブラインドやカーテン。
快適な居住空間に欠かせないアイテムですが、お掃除やメンテナンスとなると、ユーウツになる方も多いのではないでしょうか?

たとえば、浴室の窓にブラインドを付けたいという多くの要望がありますが、衛生面・メンテナンス面で大きな問題となるのが、湿気によるカビの発生。

そこで、SKBひらめき機構設計チームは考えました。
プライバシー確保や遮光性能はそのままに、サッと拭くだけの、らくらくメンテナンスの「カーテン」は実現できないだろうか。



コンセプトと機構設計

2枚のガラスの間にカーテンを入れて完全密閉し、磁石の付いたハンドルで外から操作することで、メンテナンス性・汎用性に優れた複層ガラスを開発しました。
これまでにも、ブラインドを内蔵した複層ガラスはありましたが、ガラスが厚く使えるシーンが限られたり、ブラインド操作のための小孔をあけざるをえず、完全密閉できない(内部にカビが発生する)という欠点がありました。

カーティンペアは、カーテンを入れた後に密閉し、外気から完全に遮断します。
よって湿気やホコリの侵入が一切なく、カーテン自体のお手入れは不要。
ガラスをサッと拭くだけの、らくらくメンテナンスです。

また、コンパクトなプリーツカーテンの採用により、複層ガラスとして一般的な、厚さ18mmに抑えることで、浴室や病院など、さまざまな場所でご使用になれます。
カーテンの生地は、シェード(遮視)とレース(遮熱)の2種類をご用意。
用途に応じてお選びください。




SKB  開口制限などの機構設計ソリューション


2012年5月1日火曜日

インジケーター付きゼンマイ装置(レプルス)



与件と課題

ゼンマイ装置は、自閉式引戸などによく使われています。
扉の重さや使用者の好みでばねの強さを調整しますが、ユーザーの操作(ゼンマイの巻き過ぎ・緩め過ぎ)による故障が頻発し、メーカー各社を悩ませていました。
当時の一般的なゼンマイ装置には、巻き過ぎ・緩め過ぎを防止するストッパーやインジケーターがありませんでした。
そこでSKBひらめき機構設計チームは考えました。
ストッパーを備え、調整状態を表示できるゼンマイ装置を開発し、故障のない、使いやすい引戸を実現したい。


コンセプトと機構設計

SKBひらめき機構設計チームは、ばね調整部分にゼネバ機構(※1)を採用し、ストッパーに螺旋状の溝を彫ることで、この問題を解決しました。
主軸カムを原動ギアとし、ストッパーを従動ギアとするこの機構は、ゼンマイに直結された原動ギアの回転数を従動ギアに伝えます。
主軸カムが1回転すると、ストッパーが1歯分回転します。

さらに、カバーにあけた上下方向の長孔(インジケーター)と螺旋状の溝にストッパーピンを通し、ストッパーの回転角度を、上下運動に変えます。
ストッパーピンはゼンマイばねの強さを表示するとともに、巻き過ぎ・緩め過ぎを防ぐストッパーの役割も果たします。

SKBひらめき機構設計チームは、この機構により特許を取得し、使いやすく耐久性の高いゼンマイ装置(商品名:レプルス)は、ロングセラーとして市場に受け入れられています。

※1ゼネバ機構(ジェネバ機構):連続回転運動を断続回転に変換する機構




SKB  開口制限などの機構設計ソリューション


2012年2月1日水曜日

ソフトクローズ機構(ルームクローザーlite)






与件と課題

引戸を閉めるとき、勢いがあまると、大きな衝撃音が発生するだけでなく、扉が跳ね返って隙間があいてしまいます。
指をはさむ危険性は言うまでもありません。
多少手荒く扱っても跳ね返らず、静かにゆっくり閉まる引戸はないものか。
そこでSKBひらめき機構設計チームは考えました。
閉まり切る手前で引戸の速度を抑えながら、扉をゆっくり引き込む機構が実現できれば、快適で安心できる、静かな生活空間を提供できるのではないだろうか。


コンセプトと機構設計

SKBひらめき機構設計チームは、「減速」と「引き込み」という2つの異なるアクションを、快適な一連の動作に高めるため、オイルダンパーと引張バネを連動させて、ひとつのユニットにしました。

オイルダンパーが衝撃をやわらげながら、引張バネが扉を引き込む「ソフトクローズ機構」です。

もうひとつの課題は、ユニットの薄型コンパクト化でした。
これにより、28×24mmの小断面コンパクトレールへの取り付けが可能となり、インテリアを阻害しないスタイリッシュなディテールを実現。

さらには、レールを外さなくても着脱可能な仕組みにより、ユニットの後付けや交換ができるようになりました。
レール内蔵式ユニットの着脱は業界初の快挙で、多くのお客様から高い評価をいただいています。

SKB機構設計チームは、このユニットをさらに進化させます。
引戸が閉まるときに限定されていた機能を、開けるときにも実現できる新しいユニットを開発しています。


閉めるときも開けるときも、SKBの「ソフトクローズ機構」なら、衝撃音も引き残しもありません。
快適と安心の生活空間づくりにお役立てください。



ルームクローザーliteはこちらです。



SKB | 開口制限などの機構設計ソリューション

2011年12月1日木曜日

戸先開口制限カナモノ(セーフティストッパー・引き違い窓用)



与件と課題


セーフティストッパー(開き窓用)の発売以来、多くのお客様から「引違い窓用もほしい」という声をいただきました。
日本の住宅やマンションでは引き違い窓の方が一般的なことから、子どもたちを転落事故から守るため、早急な開発が必要となりました。
そこでSKBひらめき機構設計チームは考えました。
開き窓用の使い勝手のよさを損なうことなく、同じレベルの安心と快適を実現するにはどうすればよいだろうか。



コンセプトと機構設計


引違い窓用の開口制限カナモノには他社製品も存在しましたが、窓の上端か下端に取付けるものがほとんどで、開口制限時にサッシが傾き傷むことや、大きな窓となれば頭上や足元での操作となり、快適性に欠けるという問題がありました。

そこでSKBひらめき機構設計チームは、お年寄りや体の不自由な人にも快適に操作できるよう、窓の天地中央付近サッシ召し合わせ部での開口制限にこだわりました。
さまざまなアイデアと機構が検証され、最終的には「本体+受け(可動アーム)」というシンプルな部品構成が最適であると結論しました。

安全性の確保には最大の努力が払われています。
開き窓用と同じく、専用キーの装備によって、全開・半開の操作を特定の使用者に限定できる仕様を採用。
これにより、子供部屋・病室・福祉施設にも、安心して設置できるとご好評をいただき、ロングセラー商品となっています。


転落防止・自然換気というセーフティストッパー(開き窓用)のコンセプトを受け継ぎ、引き違い窓のある生活空間の、安心と快適を実現しました。


セーフティストッパーはこちらです。



SKB | 開口制限などの機構設計ソリューション

2011年10月1日土曜日

戸先開口制限カナモノ(セーフティストッパー)


与件と課題


居住空間の高層化や開口部の拡大にともない、幼児の転落事故が社会問題となっていました。
従来の開口制限カナモノは、サッシの下框での角度規制するものが主流で、サッシの幅寸法によって窓の開口制限量が変化しました。そのため、サッシサイズに合わせて特注になることも多く、コストのかかるものでした。

そこでSKBひらめき機構設計チームは考えました。
もしサッシ形状に影響を受けにくい構造で開口制限が出来れば、大切な家族を転落の危険性から守るだけでなく、自然の風が流れる快適な生活空間を提供出来るのではないか。


コンセプトと機構設計


SKBひらめき機構設計チームが考えたのは、サッシの戸先での開口制限。
これにより、サッシ幅に関係なく、開口制限量を一定にすることができました。
しかも、従来のようにカナモノの配置に悩む必要もありません。

また、アームの先端に簡易ストッパーを配置しており、開口制限状態で障子を仮保持できるため転落防止と自然換気の両立も実現可能となりました。

そして、もっとも苦労を要した薄型コンパクト化のおかげで、大半のサッシに納めることができ、サッシ性能も保持し、インテリアの調和も乱しません。

なお、サッシへの取り付けは、切り欠きなどの特別な加工も不要で、ビス止めのみの簡単施工です。

業界初の戸先開口制限カナモノ「セーフティストッパー」は、数多くのサッシメーカーに
標準採用され、今では累計35万本以上を出荷するヒット商品となっています。



セーフティストッパーはこちらです。


SKB | 開口制限などの機構設計ソリューション

2011年8月1日月曜日

自然に閉まる引戸ユニット(ルームクローザー)





与件と課題

こどもや高齢者にも快適な室内引戸を実現したい。
SKBは従来の引戸がもつ問題点に注目してきました。
古くなった引戸はこどもや老人には開閉が困難で、家庭内の人の行き来にも支障をきたします。
また扉の引き残しは室内空間の調和を損ね、家族の団欒も落ち着きません。
開閉の衝撃は騒音だけでなく、事故をも誘発するもっとも大きな問題点です。
そこでSKBひらめき機構設計チーム考えました。
静かで軽い動作の、自然に閉まる引戸が実現できれば、落ち着きと調和のある新しい日本のライフスタイルに貢献できるのではないだろうか。

コンセプトと機構設計

デザイナーにも使ってもらえる、インテリアをそこねない引戸ユニットの実現。
そのためにはコンパクト化が最重要課題でした。
従来品は衝撃吸収用のエアシリンダーをレールに固定していましたが、これでは高さを抑えることができません。
SKBひらめき機構設計チームは、エアシリンダーを戸車と一緒に走行させるという、今までにない画期的な発想から出発し、機構のすべてをコンパクトなレールに納めることに成功しました。

コンパクトで軽い動作の静音設計。
ルームクローザーは2005年の発売以来、多くのお客様からご好評いただき、順調にシリーズを育てています。


ルームクローザー・シリーズはこちらです。


SKB | 開口制限などの機構設計ソリューション